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診療科・部門・センターのご案内

整形外科

ご紹介

2018年4月に2名の常勤整形外科医が赴任し、徐々に診療体制が整ってまいりました。
現在は、他診療科や連携医療機関の皆さまのご協力をいただきながら、以下のとおり診療を実施しております。

  • 股関節・膝関節外科
  • 脊椎外科
  • 手外科
  • 外傷

上記❶~❹ の主な対象疾患と治療内容は、次のとおりです。

  • 変形性股関節症や変形性膝関節症に対し、股関節と膝関節の人工関節置換手術をはじめ、脛骨骨切り術を専門的に行っています。特に、変形性膝関節症については、変形や重症度に応じた治療を行っており、関節温存手術(脛骨骨切り術)・全人工膝関節置換術・片側人工膝関節置換術に対応可能です。
    膝関節治療の詳細は、当院ウェブサイトをご参照ください。
  • 頸椎症性脊髄症・頸椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・腰椎すべり症・腰椎変性後側弯症等の変性疾患や、化膿性脊椎炎・骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折に対し、除圧、更にインプラントによる固定術を行っております。
    転倒によって受傷された骨粗鬆症胸腰椎椎体骨折で、背中や腰の痛みのコントロールが難しい患者様の場合、骨折型によってはバルーンによるセメント注入療法(BKP)による治療が可能です。これは、低侵襲で患者様への負担が少ないため、早期の痛み軽減・生活の質(QOL)向上が期待できる手技です。加えて、翌日から立位歩行訓練も可能となります。
  • 手根管症候群・肘部管症候群・バネ指・足根洞症候群等に対し、局所麻酔を使った日帰り手術を行っております。手術日は、主に毎週金曜日です。
  • 橈骨遠位端骨折・上腕骨頸部骨折・大腿骨頸部および転子部骨折等、外傷による四肢の骨折に対する手術を行っております。特に、大腿骨頸部および転子部骨折は、早期離床を目指して、ご高齢であっても全身状態が許す限り、早期の手術を行うよう努めております。それは、保存的治療では長期臥床のため寝たきりになる可能性が高いからです。大腿骨頸部骨折に対しては人工骨頭置換術を、大腿骨転子部骨折に対してはチタン合金やステンレス製のインプラントを用いた骨接合術を選択しています。

当院整形外科では、以上のとおり、積極的に手術を実施しております。
他診療科も充実しているため、整形外科以外の疾患がある場合でも、安心して手術できる体制となっており、件数は年々増加しております。これは、連携医療機関の先生方からのご紹介・患者様の皆さまの口コミによるところが大きく、たいへん感謝しております。ありがとうございます。
今後も、病院全体・連携医療機関の皆さまと協力しながら、引き続き、安全で良質な医療を提供できるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

整形外科 股関節疾患に対する治療

当科股関節疾患に対する治療についてご紹介させていただきます。
股関節の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。症状が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
一方日常生活では、股関節の動きが悪くなるために、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事等の主婦労働に支障を来たします。階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。
そのような症状があると治療を要し、場合によっては手術的な治療が必要になります。
当院で手術の対象となる疾患は股関節に何らかの障害を有する疾患(変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、人工関節障害、関節リウマチ等)で、年齢と疾患の程度により患者様に最も適した治療を選択しています。
主な手術術式としては、股関節を新しい関節に入れ替える人工股関節置換術(total hip arthroplasty; THA)や何らかの原因で緩んだ人工関節を新しい人工関節に入れ替える人工股関節再置換術(revision THA)、骨盤骨切術等の骨温存手術も施行しております。
股関節痛、股関節の動きが悪い等の自覚症状があればご相談いただければ幸いです。

人工股関節置換術

人工股関節置換術については令和2年4月より当院で筋肉、腱を温存する小侵襲人工股関節置換術(MIS-THA)を行っておりますので紹介いたします。

人工股関節置換術を施行する際に少しでも体に負担がないように行おうと考えられた手技がMIS-THAです。歴史的には1988年ごろから、当初は傷を小さくすることから始まりました。少しでも傷を小さくしようとするために逆に筋肉を傷つけてしまったりしていましたが、次第に手術手技、手術器械が改良され、傷を小さくすると同時に筋肉に対する損傷を少なくすることができるようになりました。手術法はいくつかあり、様々な方法が考案されている中で、当院では中臀筋と大腿筋膜張筋の間を進入する(筋間進入)ことによって、筋肉を切ることなく人工関節置換術を行う方法がよいと考え、さらに人工股関節の設置精度を高めるため、当院では仰臥位で行っております。これにより短外旋筋群も完全に温存が可能になり、低侵襲といわれている前方アプローチよりも筋肉の損傷が少ない方法が確立できました。手術翌日から発熱等の全身状態の問題がなければ、全体重をかけて歩行訓練を行なっています。この方法は、傷が単に小さいばかりではなくて、まったく筋肉を切らないため、術後の回復は著しく早い方法です。またこのMIS-THA手技で約700例の手術を行わせていただきましたが、人工股関節置換術で約1~4%生じるといわれている脱臼は1例も生じておりません。感染例の経験もなく、手術における合併症の少なさも特徴です。
2013年10月以降、手術手技はさらに改善され、小殿筋、腸腰筋、大腿直筋等の走行に関与する関節包も切離するだけで、切除せずに行えるようになり、真の意味での筋腱完全温存人工股関節全置換術を施行させていただいております。筋腱の損傷のないことはMRI 検査で判定し確認できております。術後に筋量が通常増えていることも確認できています。
手術後、1週間以内に杖なし歩行が可能な方が約半数で、退院後、家の中では杖なしで行動できることを目標としており、当院の退院の目安は創が治癒していることを確認の上、T字杖歩行50秒程度で50m歩行が可能であること、杖なしで20mを20秒程度で歩行できることとしております。 2週間以内に達成できる方は約97%と非常に高くなっております。

手術前手術後のMRI所見を供覧します。手術前後で筋萎縮が見られないことが確認できます。

脚長差(足の長さ)が4cm短くても骨移植等併用すれば同じ長さにすることも可能。

手術前
手術後

MIS-TH 筋腱完全温存人工股関節全置換術

仰臥位(仰向け)で前側方進入法を用いて中殿筋と大腿筋膜張筋の間から筋腱の損傷なく股関節を展開することと、関節包を切開線を入れることで股関節周囲の筋腱温存並びに関節包の温存も可能な手術手技。

これらの手術手技等については学会発表、論文投稿させていただいております。
2011年以降については下記記載させていただきました。

  • 筋腱完全温存による小侵襲人工股関節全置換術 術後MRIによる股関節周囲筋の検討(会議録)
    日本整形外科学会雑誌(0021-5325)91巻3号 Page S880(2017.03)
  • 筋腱完全温存仰臥位前外側アプローチによる人工骨頭挿入術のlearning curveの検討(原著論文)
    Hip Joint(0389-3634)42巻1号 Page449-451(2016.08)
  • 筋腱温存人工股関節全置換術後MRIによる股関節周囲筋の客観的評価(原著論文)
    Hip Joint(0389-3634)42巻1号 Page449-451(2016.08)
  • 股関節周囲筋の高度萎縮例に対し筋腱温存小侵襲人工股関節全置換術を施行した一例(原著論文)
    Hip Joint (0389-3634)41巻 Page998-1001(2015.08)
  • 筋腱切離をしない人工股関節全置換術における小臀筋温存法と術後MRI評価(会議録)
    関東整形災害外科学会雑誌 (0389-7087)46巻1号 Page45(2015.02)
  • 見て学ぶ股関節外科基本手技 短回旋筋群完全温存によるMIS-THAのための転子窩の展開について(会議録)
    関東整形災害外科学会雑誌 (0389-7087)45巻4号 Page297(2014.08)
  • 【人工関節置換術-最新の知見】 手術手技 筋腱完全温存による小侵襲人工股関節全置換術 術後MRIによる股関節周囲筋の検討(原著論文)
    別冊整形外科 (0287-1645)65号 Page103-106(2014.04)
  • THA MIS 仰臥位前外側侵入による筋腱切離を行わない小侵襲人工股関節全置換術(原著論文)
    日本人工関節学会誌 (1345-7608)43巻 Page499-500(2013.12)
  • 【人工関節置換術-最新の知見】 手術手技 筋肉切離を最小限にした手術 両側股関節脱臼に対しSchanz手術が施行された症例に対し筋間進入による最小侵襲人工股関節全置換術を施行した1例(原著論文/症例報告/特集)
    別冊整形外科 (0287-1645)65号 Page99-102(2014.04)
  • 【人工関節置換術-最新の知見】 手術手技 筋肉切離を最小限にした手術 仰臥位前外側アプローチ最小侵襲人工股関節全置換術(解説/特集)
    別冊整形外科 (0287-1645)65号 Page95-98(2014.04)
  • 仰臥位前外側侵入による筋腱切離を行わない小侵襲人工股関節全置換術(会議録)
    日本整形外科学会雑誌 (0021-5325)87巻3号 Page S826(2013.03)
  • THA手術手技・合併症 仰臥位前外側アプローチ小侵襲人工股関節置換術の術後リハビリテーション達成度(原著論文)
    日本人工関節学会誌 (1345-7608)41巻 Page594-595(2011.12)

整形外科 膝関節疾患に対する治療

当科では膝関節の専門医による治療にも対応しております。

変形や重症度に応じた治療を行っており、関節温存手術(骨切り術)、人工関節、片側置換人工関節 に対応可能です。
膝の痛みでお困りの方はご相談ください。

整形外科 脊椎疾患に対する治療

当院で行っている脊椎手術についての代表例をご紹介いたします。

  • 頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症、頚椎後縦靱帯骨化症に対する頚椎前方位固定術

    神経を圧迫している部分を頸部の前から直接摘出し、神経の圧迫を取り除きます。

  • 頚椎症性脊髄症や頚椎すべり症等に対する後方アプローチによる手術

    頸部の後ろから椎弓(頚椎の一部)を切除して脊柱管を拡大します。
    間接的に神経の圧迫を取り除く方法です。人工骨を使って椎弓形成を行いますが、不安定であればスクリューやロッドで固定します。

  • 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対するBKP(経皮的錐体形成術)を併用した固定術

    BKPとは、Balloon Kyphoplasty(バルーン カイフォプラスティー)の略で、日本語では経皮的錐体形成術と呼ばれる手技です。
    骨折した椎体に骨セメントを充填後、そこを中心に上下にスクリューやロッドで固定し補強します。

  • 腰椎変性後側弯症に対する2期的手術

    成人に対し、できるだけ体への負担を少なくするために、2回に分けて ( 2期的 )手術を行います。初回に前方固定術を行い矯正します。その後、約1週間して今度は後方からアプローチします。スクリューやロッドで更に矯正し固定します。

整形外科のリハビリテーション

手術後できるだけ早くリハビリテーションを行います。関節可動域訓練、筋力強化訓練、歩行訓練等従来のリハビリテーションに加え、機能的電気刺激療法や上肢用ロボット型訓練装置等の最新の機器を導入して、神経や筋の促通を促し身体機能の改善を行う事で日常生活動作の向上、早期退院を目指します。

*リハビリテーションは期限が設けられております。訓練効果には個人差があり、全ての患者様に効果が出るというわけではありません。

外来診療体制表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
午前 堀越 大澤 山崎 小川(剛)
堀越
午後 堀越

大澤

武内(俊)

小川(剛)

山崎

堀越

交通アクセス

〒 121-0075 東京都足立区一ツ家4-3-4

診療受付時間

  • 午前 8:45~12:00(診療時間 9:00〜12:30)
  • 午後 13:00~16:45(診療時間 14:00〜17:00)

休診日

日曜日・祝日

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