「帯状疱疹」が7月~10月にかけ増加傾向です。2025年4月1日より帯状疱疹定期予防接種が開始されました。
「シングリックス(不活性化ワクチン)」の2回接種が最も効果的で、帯状疱疹後神経痛の発症予防効果も非常に高いと言われています。
足立区で無料接種が開始されましたので、該当する方はワクチン接種をご検討ください。
足立区民で下記に該当し、初めて帯状疱疹ワクチン接種を受ける方は、無料で接種を受けられます。
なお、任意予防接種の一部費用助成事業は50歳以上の区民の方(上記①②の方は除く)を対象に引き続き実施されます。 |
帯状疱疹は多くの場合、小児期に感染する水痘ウイルスが原因で発症します。
水痘の治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して発症に至ります。
発症率は50代から上昇し、80歳までに約3人に1人が発症するとされています。
発症時には、皮膚の神経に沿って強い痛みを伴う赤い発疹や水疱が現れます。
症状は主に胸部や背部、上肢に現れますが、顔面や頸部(首)にも生じることがあります。
多くは2~4週間程度で皮膚症状と痛みが改善するものの、神経損傷が残る場合には、痛みが数か月~数年にわたって続くことがあります。
帯状疱疹は、過去にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因です。
そのため、初診時に血液検査をしてもすでに抗体を持っているので分かりません。
時間を置いて検査をすると、抗体価が上昇して判断できることがあります。
ただし、なるべく早く抗ウイルス薬を開始した方が合併症の予防に効果的なので、通常は血液検査をしません。
最近は、皮膚にできた水ぶくれの中の汁を採取して確定診断をするキットも出てきています。
帯状疱疹は身体の左右のどちらかに帯状の皮疹が現れます。
皮膚科の通常診療では皮疹があるかどうかと、それに伴う痛みの範囲などの問診から、帯状疱疹であるかどうかを判断しています。
例えば、二の腕あたりまでの皮疹であっても、指先にまで痛みが広がっていることがあります。
合併症である神経痛は通常、3週間程度で改善しますが、長期にわたり痛みが続くこともあります。
その場合には、根気よく付き合っていく必要があります。
等潤病院/皮膚科/伊藤聖子医師談
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